メインビジュアル
メインビジュアル

クロザピン導入推進チーム

クロザピン導入推進チーム

クロザピンって何?

 数種類の薬を適切に使っても改善しない統合失調症を「治療抵抗性統合失調症」と言いますが、クロザピンは「治療抵抗性統合失調症」に対して唯一効果が証明されているお薬です。
 現在、世界100カ国以上で使用されており、日本でも2009年より使えるようになりました。当院でも2012年より使用を開始しました。2022年現在、155名の患者様に導入し、109名もの患者様がクロザピンによる治療を継続できています。

クロザピンの副作用

 クロザピンは他の抗精神病薬(統合失調症治療薬)と比べ、眠気や吐き気、唾液の過剰分泌、便秘などの副作用が比較的多く発生すると言われています。一方で“手の震え”、“ムズムズ“、“体の動かしにくさ“といった錐体外路症状の発生頻度は最も少なくなります。特徴的な副作用としては無顆粒球症・顆粒球減少症や心筋炎があげられます。これらの副作用はめったに発生しませんが、早期発見と迅速な対応が必要となります。よってクロザピンを使用する際には定期的な血液モニタリングと事前の身体管理が必要となります。当院におきましては、重大な副作用が発生した場合には事前に広島市立広島市民病院の血液内科医と連携をとることにより迅速な対応を取る体制を整えています。

クロザピンを始めるために

 クロザピンを始めるには必ず入院が必要となります。原則として18週間、例外的に3週間以上の入院で退院することもできますが、安全面や効果が現れるまでの期間を考慮すると18週間以上の入院が望ましくなります。そして、無顆粒球症のような重大な副作用の早期発見のために定期的な血液検査が必要となります。初めの26週間は1週毎、その後問題がなければ2週毎、開始日より52週間問題がなければ4週毎の検査となります。また、クロザピンは使用できる施設が限られており、広島県内では当院を含めて13施設でクロザピンの処方が可能となっています。

クロザピン患者モニタリングサービス(CPMS)について

 CPMSは重大な副作用を予防し、患者様の安全を守るために導入されてシステムです。クロザピンを使用する際にはこのCPMSに患者様の情報(性別、年齢、イニシャル、生年月日、血液型、定期的な血液検査の結果)を登録します。そして定期的な血液検査の実施漏れを防ぐことにり、安全管理を支援します。なお、CPMSはパスワード管理されており、登録された患者様の個人情報が漏洩することはありません。

クロザピンに関する当院の取り組み

 統合失調症のうち3割が「治療抵抗性統合失調症」と言われています。しかしながら、日本でのクロザピン使用率は全統合失調症患者様のうち、およそ6%程度であり十分にクロザピンを必要とする患者様に行き届いていないのが現状と言えます。そこで当院におきましても、クロザピンの導入を促進するために、医師、薬剤師、看護師、精神保健福祉士によるクロザピン導入推進チームを結成しました。クロザピン導入推進チームでは、クロザピンに適応する患者様を主治医に提案したり、クロザピンを安全に使用するための医療情報の収集と院内のマニュアルの整備、当院における治療実績(クロザピンの効果や副作用)の収集をしています。また、チームには地域連携室の看護師も参加しており、他院からのクロザピン導入目的での入院も管理しております。

クロザピン紹介方法

医療関係者の皆様へ、当院への患者様の紹介に関しましては、地域連携室にお問い合わせください。
・草津病院 地域連携室
  電話番号:082-270-3033
  F A X :082-270-3034

広島県内におけるクロザピン処方が可能な施設


草津病院

〒733-0864 広島市西区草津梅が台10番1号

Copyright(C)2004-2018KUSATSU HOSPITAL All Rights Reserved.
Powered by WordPress & BizVektor Theme by Vektor,Inc. technology.