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当院が目指す精神科医療

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当院が目指す精神科医療

院長 佐藤 悟朗

はじめに

医療において、疾病に対して最先端の治療技術を持ち専門的治療にあたることは重要なことです。しかし、当院では、治療的な視点のみに留まることなく、より先の段階を見つめて、「できる限り、年齢相応の健康的な生活レベルの確立や人としての成長を目指す」事を最終的な目標とし、その流れの中に治療が存在すると考えています。

この目標を達成するためには、①病状が改善すること ②病気や障害を受け入れ再燃防止のために自己コントロールが行えるようになること ③病気になったことによる自尊心低下からの回避や人間関係の再構築、実際の社会生活レベルの向上、など3つのステップが必要になります。

当院の治療・リハビリ・地域生活支援体制は、この3つの視点を元に構成されており、救急・急性期医療から、一般就労や復職支援まで、一貫した支援体制を行っています。

また、当院は、統合失調症、うつ病・ストレス関連疾患および認知症を3つの柱にし、専門的治療を行っています。上記の基本理念のもと、以下に各疾患毎に当院が行っている治療体制について述べます。

統合失調症

統合失調症の患者さんの症状には薬物治療の対象症状となる幻覚や妄想といった陽性症状、そしてリハビリ・地域生活支援の対象となる引きこもりなどの陰性症状、認知機能障害などの精神症状を認めます。また、人によっては発症前にも引きこもりがちであったり、人間関係がうまく作れず、年齢相応の社会的経験が十分行えない場合があります。再燃率も高い疾患であり、慢性的な経過をたどるのが一般的です。

以上のような理由から、統合失調症はお薬による治療だけでは、改善が難しい場合があります。当院では、引きこもり、不就労、社会的経験不足などにより、発症前に経験できなかった事も含め、長期的な視野に立った上で、治療・リハビリ・生活支援体制を行う必要があると考えています。

統合失調症の生涯経過と解決すべき課題

この長期的な視点の元、当院の治療・リハビリ・生活支援システムは、以下のように構成されています。一つ一つのプログラムは、入院の初期段階からすでに外来治療を視野に入れて開始され、その時の治療レベルに合わせて積み重ねられるように構成されています。心理教育プログラムは、その途中のステップに組み込まれており、入院中には病気の初歩的な対応法を学習していただく基礎編、外来においては社会生活を送った上で実際に起きてくる課題に対して、グループミーティングを中心として解決していく応用編に分かれています。

また、心理教育はあくまでも病気を受け入れどう付き合って行くかという視点に立ったプログラムであり、これだけでは不十分です。患者さんがより生き生きと生活できるようにサポートするため、心理教育プログラム終了後には、一般就労支援など実際の生活レベルをより向上させていくためのプログラムを行っています。

統合失調症治療の治療システム 統合失調症の治療システム

うつ病・ストレス関連疾患

うつ病やストレス関連疾患は、生物学的な要因だけでなく、職場や家庭の人間関係など複雑な要因が絡み合って起きています。当院では、うつ病やストレス関連疾患の方を対象にしたストレスケア病棟がありますが、入院して病気を治療するだけでは全ての問題を解決することは困難です。これらの問題を総合的に解決するためには、①受診に至るまでの早期介入システム ②受診後の適切な治療システム そして病状が改善した後の、③社会復帰までのサポートシステムの3つが連続していなければなりません。

まず、①として、この疾患群の方は特に心療内科や精神科への受診への受診に対する抵抗感が高い方が多く、相談できずに抱え込んでしまう方がいます。そのような方のために、当院ではメール相談や精神保健福祉士による受診前の相談を受け付けています。②の受診後の治療においては、外来治療と必要時、環境調整も含めた入院治療体制、そして入院・外来における「認知行動療法」を含む心理教育プログラムを行っています。また、③職場復帰に向けた、リワーク(復職支援プログラム)を行っており、単に病状が安定化することを目標とするのみでなく、心理療法による再発防止や社会復帰に向けた治療プログラムを組んでいます。

ストレス疾患の予防・治療・社会復帰システム ストレス疾患の予防・治療・社会復帰システム

認知症

高齢社会白書によると、平成23年10月1日現在の高齢化率は23.3%となっており、平成47年には33.4%となることが予想されています。こうした世界に類を見ない高齢化社会の到来は、認知症の患者さんが急速に増加することを意味しています。

当院では、平成12年6月から認知症治療病棟入院料115床を設置し、早くから認知症治療に取り組んできました。当院の入院治療においては、以下のような総合的な治療プログラムを設定し、治療と介護の役割分担を明確にして入院期間をできるだけ短期化し、より専門性の高い治療システムを採用しています。

また、平成23年10月には、広島市認知症疾患医療センターを設置し、認知症の①啓蒙活動を行うと共に、「日本老年精神医学会」や「日本精神科病院協会」の専門医が②初期認知症の鑑別判断 ③BPSD:認知症の行動・心理症状. (Behavioral and Psychological Symptoms of Dementia、いわゆる認知症の周辺症状)の治療 ④地域の保健・福祉施設と連携し退院後の生活支援など、発症前から入院治療、地域生活支援までを連続して行っています。また、軽症の内科疾患を合併されている方には、当院の内科医師が(平成24年3月末現在で常勤医師3名、非常勤医師8名)患者さんをサポートしています。

認知症治療システム

まとめ

以上、当院における精神科医療の基本構造を紹介しましたが、当院では、医師をはじめ様々な専門スタッフが長期的な視点に立ち、それぞれの専門性を元に各治療ステージに合わせたチーム医療を行い、患者さんが安心して地域生活を送るための医療・福祉サービスを提供しています。そして、今後とも、患者さんの回復力を最大限引き出すことができる治療、リハビリ・地域生活支援が一体となった診療システムの提供を行ってまいりたいと考えています。

草津病院

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